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執筆者の写真代表 榎本敬二

安全マネジメントのグッドプラクティスを示す

『ストーリーで学ぶ安全マネジメント』では、そもそも安全とは何か? 安全マネジメントとは何か? 安全管理と安全マネジメントの違い、ヒューマンエラー対策としての戦略的エラー対策とその具体例などを示してきましたが、安全マネジメント(その手法)のグッドプラクティス(好事例)は、物語のなかで主人公の専一やその上司、あるいは周囲の人々が演じることである程度示したつもりです。しかし、この提示の仕方では読んでいただいた方にうまく伝わっていない個所があるのではないか? あるいはもう少し具体的な好事例を示した方が良いのではないか? そのようなことを考えています。 安全マネジメントは、その知識があっても実践が伴わなければ意味がありませんし、知識があればすぐに実践できるというものでもありません。私たちは、上司や先輩の好事例を手本とし(ときには反面教師とし)、それを真似したり、自分で少し工夫したり、そんなことをしながら試行錯誤を積み重ねて実践する力を身に着けてきたように思います。 一方で、近年は生産性や競争力を高めるために、組織・チームの構成メンバーは必要最小限にスリム化されています。この背景には、自動化やデジタル(IT)活用によって、少ない人数でも従来の仕事(実務)がこなせるようになってきたという事情もあります。しかし、組織・チームのスリム化(ケースによってはフラット化)によって、ひとつのチームの中でマネジメントを担う人が減っている例があります。たとえば、かつてはチームマネージャーの下に複数のチームリーダーがいて、さらにその下にサブリーダーがいるというような構造が多くあったと思いますが、この階層が単純化されてしまっている状況です。さらには、プレイングマネージャーの場合は、マネージャー業務に割ける時間が限られてしまっている例もあるでしょう。時間外勤務削減に対する圧力も作用しているかもしれません。 このような状況で、今のマネージャーあるいはまもなくマネージャーになろうとしている人たちは、マネジメントの好事例を学ぶ機会が大きく減っているのではないでしょうか? チームのなかに複数のマネジメントの担い手がいる場合は、その人たちの様々なマネジメントのスタイルを参考にすることができますが、一人しかいなければその人からしか学べません。もちろん、すべてのマネージャーが優れたマネジメント能力を持っているわけではありませんから、目の前の上司がマネジメントに熱心でなければ、それが標準に思えてしまうかもしれません。また、組織やチームがスリム化すると、誤ったマネジメントをしても、それを指摘したりリカバリーしてくれる存在がおらず、本来は不適切なマネジメントがあたかも問題ないかのように見えてしまうこともあるでしょう。 このようなことから、安全マネジメントの好事例を具体的に示す手引きのようなものを作成してみたいと考えているところです。朝出社したところから、退社するところまで、あるいはトラブルが起きた時の対応などさまざまなケースごとに、具体例を示すことができないだろうか? そんなことを考えています。 ・・・ということで、今後このブログで、その取り組みを少しずつ試みていきたいと思います。

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